修学旅行が終わって…

次郎が修学旅行から帰る土曜日。夫と2人、14時半に
義母が次に入所する施設の面接、16時に義母の見舞い。

次郎の駅到着は18時。
「夕食作りと次郎のお迎え、どっちがいい?」夫に聞くと、

「図書館に行く」と言う。そんな選択肢、ないんだってば!
仕方なく、買い物をして夕食を作りかけて、私がお迎え。

楽しめた様子の次郎。お小遣いがないことには、初日の夜に気づき、
余分に持ってきていた友だち2人に、合わせて3千円借りたという。

「次郎なら返してくれるやろうから」と言って貸してくれたから、
自分には人望がある、と思ったらしい。

どこまでも自己肯定感が高くて呆れる。
人望がある人はそんな大切な物、忘れたりしないのよっ!

聞けば歯ブラシも忘れて行っていたが、
ホテルにあったものを使い、事なきを得たという。

お昼はジンギスカンだったとかで、まだお腹がいっぱいだと言う。
制服が匂う、というので、洗濯に出させ、

急いで夕食作りの続きをしていたら、1日目5時間、2日目6時間
睡眠だったという次郎は、いつの間にか2階の自室で眠っていた。

夕食に呼んでもなかなか降りてこず、降りてきたかと思えば
テレビを大音量でつけ、歌まで歌う次郎。

しばらく静かな暮らしをしていた夫の顔が曇り、「歌うな!」と言う。
バラエティ番組のデータ受信のため、両手でリモコンを持つ次郎。

注意しても一向に離さないので、「テレビを消すよ!」と言うと、
「脅しや!」と言い、それでもやめないので電源を切ると、

「つけろや!」とすごみ始め、自分の言い分だけ喚き散らし、
聞く耳を持たず、2階に行って、私と夫の部屋を荒らし、

ドアが開かないようにして、自室に立てこもった。
「もうご飯いらんね! 片づけるよ!」と言うと、

「もともといらんって言うとったやろ! 聞いてなかったんか!」
と情けなさそうに言う。お腹いっぱいって、言うとっただけやん!

放置することに決め、気を取り直して普段の生活を続ける。
と、次郎がまだ、鞄から着替えを出してないことに気づいた。

「何でそんなこと、先にさせなかったの?」と夫は言うが、
そんなことまで言わなわからへんの? 

だいたい私は夕食作りの続きがあったんだから、
図書館帰りの人が言えばよかったんじゃないのっ?

2人のときは大丈夫なのに、次郎がいるともめる。
子はかすがいって、ホントかしら。

鞄も次郎の部屋にある。気づけばまた眠っている次郎をドア越しに
起こし、「洗濯物を出しなさい」と言っても、「嫌や」の一点張り。

そこ、反抗するとこと違うやろ! と思うが、そういうヤツなのだ。
「明日まで放置するなら、自分で洗濯してよ!」ということに。

翌日曜日は、朝から義父の見舞いに夫と大阪へ。
ここしばらく洗濯機を使っていない次郎に、

洗濯機の使い方の手順を含め、食べるものや、
洗い物ほか、やるべきことを紙に書いて、出発。

夕方帰宅すると、食べた後の洗い物は放置され、なんと
洗濯物もまだ! それに、何だか家じゅうに異臭がする!!

朝9時過ぎに起きてきたのに、また昼寝をしていた次郎。
起こして洗濯をさせたら、何と再びベッドへ。

異臭の原因を探したが、見当たらない。家じゅうの窓を開け放ち、
ローズの香りのお香を2本炊いているうちに、思いあたった。

ジンギスカンの匂いがこもっているのだ。修学旅行から帰り、
制服から着替えた服のまま、シャワーもしていない次郎。

洗濯機をとめて、シャワーするよう促した。家じゅうが臭いから
今着ている服もすべて一緒に洗濯するよう強く言うと、

「選択肢がないのが嫌だ」とかで、またまた反抗。
「言われたことを、言われたように、すぐやる」のが悔しい様子。

仕方なく、夕食まで待ってやると、また眠り、ようやく部屋を出て
きた。ずっと暖かい布団の中にいたためか、髪も心なしかねっとり。

すぐにシャワーしてほしいところを、ぐっとこらえ、
とりあえず着替えと洗濯をさせた。

帰宅して丸一日以上経った日曜の夜、暗いベランダで
干し物をする次郎。何でこうなるの~?

ようやく一息つき、私が先に入浴。
次郎にお風呂に入るよう、呼びに行くと、

なんと! また次郎は眠っていたのだった!!
起こして入浴させる。さすがにもう眠れないのではと思いきや、

何と0時過ぎから、今朝9時半までぐっすり。
修学旅行で睡眠不足気味だったとはいえ、幼児並みの睡眠力!

あなたはもう中3なのよ。受験生としての1年をどう
乗り越えるのか、高校生になってやっていけるのか、

不安は尽きない。修学旅行から帰って47時間後に、
「忘れとった~」と、水筒を出してきた次郎なのである。

反抗期次郎の修学旅行 & 一番ラクな結婚記念日

バタバタと始まった4月。
気づけば次郎の中学校の修学旅行が間近に迫っていたけれど、

土曜日に退院し、日曜日は家族そろって大阪にいる義父の見舞い。
車の中で、私はほとんど寝たきり状態。

「修学旅行のために買い足すもの、ないよね?」と
 確認するのが精いっぱいの週末だった。

水曜に中学校で、修学旅行の持ち物チェックがあるとかで、
火曜の夜中、ようやく荷造りに重い腰を上げたが、

「『大きいビニール袋と小さいビニール袋』って、どんな大きさ~?」
って、聞かれてもねえ。わからないことは学校で聞いてきてよね!

旅行前日の水曜は昼前に帰宅。一緒におやつを買いに行けたが、
私は14時半から、義母が次にお世話になる施設の見学に出かけ、

16時から病院の看護師さんとお話。次郎は修学旅行中の
授業の振り替えもあるため、16:55~22:00まで塾!

15時過ぎから次郎の夕食を作った。次郎は夕食を取って塾へ。
夕食後、私はお腹をこわしてダウン。夫は疲れてソファで居眠り。

明日は弁当作りもあるし、早く寝なくては。
どうにかお風呂までたどり着いたころ、次郎帰宅。

のんびり屋の次郎は、ベッドで横になって動画を見ている様子。
そのままうたた寝をすることもあるから、油断ができない。

最後の治療後しびれのひどくなった足を引きずって、ようやく2階に
行き、「早くお風呂に入って寝なさい!」と言ったのをきっかけに、

久しぶりにバトルが勃発した。何でよりによって修学旅行前夜に?
いや、多分、修学旅行前夜だからこそ。

太郎を送り出してからは、気持ちに余裕が生まれ、小さなイライラは
あってもぐっとこらえて、落ち着いた対応ができていたが、

体調がよくないと、それは難しくなる。「早く寝なさい!」が
とげとげしくなると、次郎はそれに過敏に反応し、

私の言動にほころびを見つけては、執拗に攻撃を始める。
そう、攻撃することで自分を守ろうとするのである。

そこで大人な対応ができれば苦労しないのだが、
私もそこまで人間ができていない。

お風呂に入りかけていた次郎が、寝ようとする私を追いかけて
2階へ。そのまま1時間無理やり話を聞かされ、結局0時就寝。

修学旅行当日。なかなか起きない次郎にしびれを切らし、
「だいたい何時に起きようと思ってたの? 目覚ましかけたの?」

急いでいるのに余計なことを言うなと、また大もめ。
前夜に懲りた夫は、朝食を持って2階へ避難。

「8時集合だから、7時半に出発しようね」と言っていたのに、
7:28にまだ朝食をとっている次郎に、やむなく声かけ。

急がされたくない、お節介されたくないと主張する前に、
急がされないように行動しなさいよね!!

しかも、7:35になって、引き出しから着替えの靴下を取り出し、
シャツが1枚ないと言い、旅行の小遣いをまだもらってないと言う。

「なんで昨日のうちにやらなかったの?」
「だって、はよ寝なさいって言ったやん!」 なんでやねん!!

集合4分前に車で駅に到着。みんなもう集合を完了して、静かに
座っているのが見える。と思いきや、どうやら別の中学校のよう。

車を降りた次郎は、「あれ?」という表情。
え? 集合場所、知ってるんだよね? と思ったが、そのまま帰宅。

プリントを見ると、「2階新幹線改札前に集合」とのこと。
てっきり中央改札口前だとばかり思っていた。

次郎はたどり着けたのだろうか?
たどり着けたとしても、8時には間に合ってないよなあ…。

ため息をつきながら、ふと見ると、
テーブルの上に8000円が。

力が抜けた。お小遣いを全額、忘れていっている!
急がせたくないから、先に車に乗って待っていたのがあだとなった。

夫に、「すぐに届けて!」と頼んだが、
「ムリだよ。先生に頼むとか、何とかするでしょう」と冷たい一言。

そうよね、早めに行っていたならまだしも、
8時ぎりぎりに送り届け、もう8時半。

ま、お土産なんか買わなくてもいいし、と思ったが、卒所した学童
保育所の子どもたちに、分担してお土産を買うって言ってたよな。

前夜と朝に母親と言い合いをして、遅刻をして、お小遣いを忘れて。
とんだ中学校の修学旅行だわ、と心が痛んだが、

仕方がない。それに、中学校よりも高校の修学旅行の方が、
将来的にはきっと思い出に残るはず! と気持ちを切り替えた。

夜。昼からまた大阪に行っていた夫を駅まで迎えに行ったとき、
母親仲間のさゆりさんから、「静かな夜ですね」とメールがきて、

夫と2人、言い合った。「なんてラクなんだー!」
太郎もいない。夫と私、それぞれ思い思いに過ごす夜。

子どもを育て上げたご夫婦は、こんな毎日を過ごしているのね。

太郎次郎が生まれる前は、今よりずっとラクだったはずだけど、
その時はその時でお互い仕事が大変で、精いっぱいだったよなあ。

今日は21回目の、今までで一番ラクな結婚記念日です。
次郎の帰宅は明日の18時です。

朝ドラ『ひよっこ』がおもしろい!

朝ドラ『ひよっこ』がおもしろい。
岡田恵和の脚本がしっかりしているからだろう。

ヒロインみね子は、当時の地方の女子高生らしく、ふっくらとして
生き生きと動く。有村架純はこの役のために「増量」をしたと聞く。

1964年。東京オリンピックを間近に控えた東京と地方、
とりわけ農村での暮らしを、丁寧に描いている。

農業を営む人から見れば、突っ込みどころ満載なのかもしれないが、
稲刈りの手順などもしっかり説明され、農家への理解の助けになる。

東京の出稼ぎ労働者で、稲刈りのために戻った、みね子の父
実(沢村一樹)が、故郷の畑の土に触れ、感慨にふける場面や、

夜中、初めて囲炉裏端での大人だけの話し合いに加えてもらった
18歳のみね子の、「この日を一生忘れないよ」という述懐、

東京で行方不明になった実を探して、
警察に届けたものの、大勢の一人としてぞんざいに扱われ、

「ちゃんと名前があります!」と涙ながらに訴える、
母、美代子(木村佳乃)の毅然とした姿。

みんないい人で、いつも笑顔だけれど、わざとらしくない。
互いの笑顔が笑顔を引き出すだけの説得力を持っている。

稲刈りを終えて東京に帰る父と、自転車で学校に向かうみね子と
の間に、どのような会話が交わされるのかと耳をすませたが、

父はみね子の両頬に手を当て、笑いながら力をこめるだけだった。
言葉にしないからこそ伝わる、あふれんばかりの思いを感じた。

ほんわかとした味を出す、叔父の宗男(峯田和伸)に、
祖父の茂(古谷一行)の抑制のきいた演技。

同級生の時子(佐久間由衣)と三男(泉澤祐希)、
妹弟たちも、素朴ながらキラキラしていてとてもいい。

昨日の放送では、心を残しながら故郷を離れざるを得ない者と、
故郷を出ることが許されない者、両者の心を思った。

当時の東京は、今よりもずっと大きな戸惑いや不安を
抱えて出てきた地方の人であふれていたのだな、と思う。

東京は、出稼ぎに来ている地方の人たちで支えられている、という
赤坂の洋食屋店主、牧野鈴子(宮本信子)の言葉が温かい。

行方不明になった父を探すため、一人で東京に行っていた母を、
「私がもう少し大人だったら一緒に行けたのに」と気遣い、

母の不在時、妹ちよ子(宮原和)が慣れた手つきで料理の味見を
する姿に「あんた、大きくなってんだね」と声をかけるみね子。

「大人になること」をテーマに、何気ないできごとの愛おしさを丁寧
に紡ぎ、平凡だが確かに生きる人々を、応援するドラマになっている。

これからも毎朝少しずつ、しかしぐんぐんと、山の草木のように
成長していくヒロインたちの姿を追い、元気をもらいたい。